インドでわしも色々あった〜 回願録:デリー編
中国の旅を終え、バックパッカーに目覚めた若かりし頃、旅本を読むのが何よりも楽しかった。そして3冊の本に出会う。
インド凄えな〜 面白そうやな〜 行くしかないな〜 しかしその地では囲まれ、監禁され、騙され散々な目に遭った。
そんな色々あった 「デリーの旅」を回願してみようと思う。
DATA
国名:インド デリーデリー連邦直轄地(デリーれんぽうちょっかつち、ヒンディー語: दिल्ली [d̪ɪlliː]、英語: Delhi [ˈdɛli])は、インドの首都特別地域である。面積1,483km2、人口は1,679万人で、インド北部の大都市圏を形成しており、同国の商業・工業・政治の中心地にして南アジアを代表する世界都市の一つ。
目次
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インドでわしは囲まれた
先ず洗礼を受けたのは、路上で人に囲また事。 真面に10m歩けない。
ポン引きのひつこさは、歌舞伎町の客引きの比ではない。宿、闇両、大麻、女 何でも御座れで、煩く何処までも付いてくる。断っても断っても付いてくる。ひつこい。粘い。
公園に座れば、子供が勝手に肩を揉んだり、靴を磨き始める。突然、歌いだし金をせばむガキもいる。 鬱陶しいにも程がある。
乞食のバクシーシも凄まじい。自らの不具を訴える者。沢山の子供を抱えた母親。
インドでわしは囲まれた。
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インドでわしらは監禁された
客引き あるある。
- 妙に日本の地名を上げて来る。
- 日本に兄弟、親戚、友達が住んでいる
- 推薦ノートを持っている。(旅行者がこの人は親切とか安心とか書いた)
日本に居れば其れがどうした?になるのだが、不思議なもので海外居ると妙に安心してしまう。そしてそんな若い一人のあるある君と出会った。
「日本に兄貴が居て自分も行こうと日本語勉強してるんだ! 日本語話せたら勉強になるし、安くするからガイドさせてくれない?」 とあるある君。
あるある君は親切でリキシャで色々連れて行ってくれた。入場料とか日本人が払うと高いから後で精算ね〜 と言って払わせない。
此れが後にとんでもないことになるとは全く想像も出来なかった。
「腹減ったな〜 奢るから何処かで昼飯食べようよ〜」 と誘うと、「叔父がホテルを経営してるからそこで食べよう」 とあるある君。
断る理由も無く、ホテルに向かう。てっきりホテルのレストランで食べると思っていたが、部屋に連れられた。
そして其処に現れたのは、強烈なオヤジ。
一人は、頭にターバン。筋肉隆々でタイガージェットシンにしか見えん。
一人は、丸坊主のずんぐりでブッチャーにしか見えん。優男のあるある君は、ドアの前に立ち此方を見てる。
シンは、目の前の唐辛子を生のままボリボリ食って、お前も食えと差し出す。辛く無いのか? 恐る恐る口にするが火が出る程辛い。 どんな味覚しとんじゃ。
ブッチャーは、親指でビールの栓を抜く! お前は手品師か?
奴らは、終始笑顔だがわしらの金玉は、完全に縮み上がり戦意喪失。猪木、藤浪 助けてくれと祈っても無駄である。 怖すぎ。
ただただ怯えてビールを飲んでると、急にシンが何やら書き始めた。
そしてその時は、来た!
渡された紙には、ガイド料や入場料、飯代等々 二人で総額¥50,000 程とある。
怖くて払えないとは言えず、頑張って言えたのは「持ってない」。
「日本人がその程度の金持ってない訳がない」そのやり取りが何度も続く。
当然、部屋から出る事は出来ず、インドでわしらは監禁された。
暫くするとシンが 「有金全部出せ!」 と体を探って来る。そして先ずは、胸ポケットに入っていた小銭(1000円分くらい)、
次に尻ポケットの財布に入っていた中銭(10000円くらい)を毟り取られる。
一緒に旅した連れも同じく毟り取られる。
「他に何処に隠してある?」 とブッチャーも臭い息で迫って来る。「残りは荷物(バックパック)と一緒にホテルに預けている」 此処に無い。と芝居を打つが、大銭は腹巻に隠して有る。見つかったら旅も終わり。天に祈る。
しかしこの最後の祈りが通じてシンは我々から毟り取るのを諦め我々はホテルから
連れ出されリキシャに乗せられ、何処か全く分からない場所で降ろされ解放された。
あるある君は、終始悲しい顔を此方に向けてたが、そんな顔するくらいなら、初めっからこんな事するんじゃねえ! と言いたかったがシンとブッチャーが怖すぎて大人しくしていた。